原付一種存続のための新たな道②

 50ccのままで第四次排ガス規制に対応するのは技術的に無理があるので、125ccの出力を50cc並みに抑え、出力による新たな区分を設定するという提案が、自民党議員オートバイ連盟に提出されました。

 出力によって車種の区分を決めるというのは、欧州やアジアではスタンダードになっているようですが、日本ではいまだに排気量の区分になっています。

 一概に比較はできませんが、自動車は軽自動車から、アメリカの車にある5000cc超えのエンジンのものまで同じ免許で乗ることができます。

 しかし警察は「125ccになると車体が大きくなり、運転に影響して事故につながる。」ということを懸念しています。また総務省は、「排気量が原付一種と二種で同じ車体、同じエンジンとなるので、車税の区分が問題になる。」ことを懸念しています。

 現在は新車で国産の原付一種のスポーツバイクは買えませんが、昔は結構大柄な車体のモデルもありました。実際MTX50に乗っていた時、何も違反していないのに警察に止められて、「これは本当に原付か?ナンバー付け替えているんじゃないだろうな。」と疑われ、すみずみまで車体を調べられました。たまたまそれを買ったバイク店の近くだったので、シリンダー付近に49㎤と刻印があることを指摘してもらい、ようやく納得してもらいました。

 MTXは車体の割に非力感はありましたが、その大きさゆえに安定していたので、大きさが原因で事故が増えるというのは違う気がします。

 総務省の見解も、「どうすれば税を一円でも高く徴収するかという魂胆」が見え、時代錯誤もはなはだしいと思ってしまいます。その割には同じ車体のスーパーカブの50と125はきちんと分けて税金を徴収しています。それなら車体の小さいグロムやZ125などは、税金を安くしてもいいのでは?と思ってしまいます。

 業界が新しいことを考えても、頭の固い方々が首を縦にふらない限り、この提案も通らないのでしょうか?

 かなり批判的な見解が多くなりましたが、原付一種の在り方や免許制度にも関わる大きな岐路に立っていると思うのですが…(つづく)