MTXで峠を越えたが...山の神社の不思議な話

 MTXはオーバーヒートと止まって冷やしを繰り返し、最難関の峠を越えることができました。しかしその先にも小さな峠があり、しかも工事中でした。峠の道とは名ばかりで、獣道のような山の中の道は、本当にこの道で合っているのか不安になるほどでした。

 やがてその不安は的中し、とうとう道に迷ってしまいました。行けども行けどもどんどん山奥に入り,自分がどこを走っているかがわからなくなってしまいました。

 やむを得ずバイクを降りて、高台に上って国道クラスの道路に通じるルートを探しました。国道は見えませんでしたが、少し降りたところに建物が見えたので、そちらを目指すことにしました。目指す建物に向かうとそれは小さな神社でした。草刈りなどがされ、管理が行き届いていたので、藁にもすがる思いで神社の境内に入っていきました。

 初めは人の気配はなかったのですが、奥に行くと境内を掃除している老人に会いました。早速道を尋ねると、丁寧に地面に道を描いて教えてくれました。

 教えてもらった通りに進むと、無事に札幌に向かう国道に出ることができました。

 後から振り返ると山奥に「ポツンとたつ神社」にあの老人はどうやってきたのか。境内を掃除していたのは、偶然だったのか。もしかすると山の神社の神様だったのでは?と思うような、不思議な出来事でした。ツーリング先で起こった不思議なお話でした。