私が大ファンである「750ライダー」の作者「石井いさみ先生」が80歳で亡くなられました。
学生時代、連載中の雑誌やコミックで、当時は免許を取ることさえ叶わなかった750を颯爽と走らせる主人公に羨望の眼差しを送ったものでした。
5年くらい前に、手頃な価格で全巻を手に入れ、1巻から改めて読み直すと、主人公を初めとする登場人物たちの表情が、次第に穏やかで丸くなって行ったことに気づきました。
当時は「3ない運動」や「バイク=暴走族」という風潮がありました。私の父も同じ考えで、バイクの免許を取りに行くことなど許してくれるわけもなく、内緒で取りに行きました。
最初の頃の作品には、そう言った風潮を意識したのか、登場人物がワルっぽく描かれていました。
でも後半からは、高校生漫画にありがちな恋愛や失恋、夏休みに海へ行く、宿題を忘れて掃除をさせられるなど、ほっこりするような場面が増え、クスッとしながら読めるようになりました。
最終巻の50巻は、その集大成で、主人公とヒロインが予想通り結ばれるという展開になり、ほっとしたこともありました。